2008年のリーマンショックから続く世界規模の金融緩和により膨張した株価、不動産価格、企業投資、イマジネーション景気。本来、景気がよくなれば金利を上げるところ、実質景気はよくなっていない為、金利は過去最低水準で推移、そのお陰でカナダやオーストラリアの高額住宅ローン残高、各国の中小零細企業延命、アメリカ高額学生ローン、アルゼンチン デフォルト懸念など副作用が出ている。

中央銀行が支える債務経済は既にピーク、金利を下げても本質的な景気が上向きになるわけではなく、株価と不動産価格のみが上がり、金持ちが金をうむ貧富の差は開くばかりである。
リーマンショック後、世界の消費者となり世界経済に立て直した中国は既にピーク、次なるショック(前回の3倍)をカバーできる国はまだ育っていない。
 
債務を積み増しさらなる赤字財政支出が必要という現代貨幣論、債務残高はどこまで積み上げられるかという未知の世界に踏み出す。欧州中央銀行ECBラガルド総裁、国際通貨基金IMF、揃って各国政府に歳出拡大を呼びかけているのが実情。金利負担の減少、安全資産に対する市場の累積需要を踏まえると、主要先進国は一段と大きな債務負担に耐えれるのではないかと言うが、債務負担にも天井はあるだろう。
 
確かに、カナダの不動産投資家はほぼミリオネラー、景気悪化で不動産価格や株価が下落しても、所持物件や株手放せば生きてはいける。とは言え、、財政出動の経済効果は少しづつ弱くなりつつある。
早いうちに本質的な景気回復が始まらなければ、止まった車を人力で押し続けるには限界がある、人力の限界が来るまでにエンジンをかけられるか否か、、、難しいところである。

一つ良いニュースはカナダ政府の移民政策。この政策による人口増加率は年1%、常に人口増加が見込まれる上、アメリカのお隣という立地から、アマゾンやマイクロソフトなどニューエコノミー企業のオフィス拡大により、高待遇の仕事が増え、生産性が上がること。70%がサービス業や不動産関連業の不動産エコノミーで生計を立てる中、ニューエコノミーの拡大は歓迎される。ただ2008年からうなぎ登りの不動産価格には政府の政策(外国人投資家税、空室税等々)により調整期となり2019年度は場所により緩やかな伸び、もしくは緩やかな下落となっている。日本とは違い、政府の人口増加移民政策、ITテクノロジーなどの高度産業発達により、不動産バブル崩壊とは今のところならないだろう。全てはNY株価の行方次第である。

Investing in the new normal 投資哲学の進化もしくは退化? ニューノーマル